Publication
日本科学振興協会 第1回総会・キックオフミーティング (2022)
バーチャル学会:ソーシャルVR環境を用いた学術発表の実現
Author
小久保治哉(けいあずとして発表), Lcamu, 亀岡 嵩幸
Category
Talk (Seminar etc...)
Abstract
COVID-19の流行により物理世界での直接的な学術交流は急速にオンラインツールを使った遠隔交流に置き換えられています。これらの多くはビデオチャットによる映像のみのコミュニケーションを採用しており、物理的交流による非言語情報の伝達が難しく、学会特有の空気感や満足感の実現がなされていないという課題があります。そこで、オンライン上に構築された3DCG空間であるソーシャルVR環境を用いることで、多くの人がリアルタイムに同一空間に存在し、自身の分身であるアバターを操縦することで物理世界と変わらないコミュニケーションが実現されています。ソーシャルVR環境はこのような点から、メタバースと呼ばれる新たな人類の活動拠点として期待されているだけでなく、学術交流の場としても期待されています。また、ソーシャルVR環境は単なる物理世界の模倣ではなく、その世界で活動する人々により新たな社会、文化が形成されており、学術交流もその一つとして挙げられます。本発表では実際にこれまでにソーシャルVR環境にて開催した「バーチャル学会」の事例をもとに、ソーシャルVR環境の学術発表・交流における具体的な利点と物理世界との相違点を紹介するのに加え、今後のソーシャルVR環境を用いた学術交流の発展における課題について紹介します。